【苦しんで死んだ魚はまずい!?】

 魚を含むすべての動物は、生活のエネルギーをATPという
酵素に似た物質を利用しています。これを利用して代謝が
行われたとき、肉の旨みの基となるイノシン酸≠ェ生まれます。

 魚が死ぬとATPの補給が止まり、魚体の死後硬直がはじまり、
一時的にこのイノシン酸≠ェ増えます。

 そうなんです!。このときが魚の食べ頃なんです。
だからお刺身の食べ頃は、魚の死後硬直がピークになる頃
が、シコシコした歯応えのあるときとなります。
※魚の身は、死んですぐは柔らかく、2〜3時間で硬直し
 はじめ、半日ほどで全身に及びます。さらに時間が経過
 すると、再び柔らかくなり、以後腐敗が始まります。

 じゃあ、なんで苦しんで死んだ魚はまずいのか。
死ぬときに苦しんで暴れ回った魚は、エネルギーをたくさん
消費し、その結果、筋肉のなかに乳酸が溜まり、急速に鮮度
が落ちて味が悪くなります。

 では、どうすればいいんでしょうか?
漁師のあいだでは、‘活け〆’と呼んで、漁獲後すぐに頭の
延髄に鋭い鉤を打ち込みます。すると、魚は暴れずに死ぬので
エネルギー消費が少なく、体内のATPの分解が緩やかになり
鮮度の低下も遅くなります。

 もしあなたが釣り好きで、美味い魚が食べたかったら、
(少し残酷ですが)釣り上げた魚をすぐに魚の頭を切り落として
ください。活け〆≠ニ同じ効果があります。