■シシャモのメスはよく食べるが、オスはどうなるの?
              

アイヌ伝説
○シシャモは漢字で「柳葉魚」と書く○
むかし、貧しいアイヌの娘が病気の父親のために食べ物を探していると、川に落ちた柳の葉が魚になって泳いだ。 喜んだ娘はそれをとって帰り、父親に食べさせた。孝行娘のために、神さまが柳の葉を魚にかえたのだった。
このアイヌ伝説に出てくる魚がシシャモである。シシャモは、アイヌ語で「神の柳葉」という意味の「シシュハム」がなまったものだという。
私たちはふだん、塩干しの子もちシシャモにしかお目にかかる機会がない。
そのためかスマートな魚というイメージはうすいが、実際は黄金色に光る、すんなりとした美しい魚である。

ところで・・・
ところで、子もちシシャモは当然メスだが、ではオスはいったいどうなっているのだろうか。 かつてはオスの干物もよく売られていたものだが、最近ではとんとお目にかからない。
実は、現在私たちが食べているシシャモのほとんどは、輸入物である。 市場に出まわっているシシャモのうち、国産品はわずか二パーセント程度にすぎない。
国産のシシャモは釧路川など北海道の東南部の川が産地である。海で育ったシシャモが産卵のために川に上がってくるのを漁獲する。
ところが、近縁のサケ(鮭)同様に、川の汚染や乱獲のために、いまでは漁獲量が激減してしまった。 そこで需要の大部分をノルウェーなど北欧からの輸入品でカバーしているわけだが、輸出国側では、圧倒的に人気の高い子もちシシャモだけを出荷している。 人気のないオスは飼料に使い、食用にはしないため、いまではオスを見かけないのである。
しかし国産品の産地である釧路近辺に行けば、オスの干物も市場に出ている。 国産の子もちシシャモに比べて値段も安いし、味の点でもそうヒケをとらない。